管理職になりたての人や初めてグループリーダーを任された方はメンバーをどのようにコントロールしているのでしょうか。私も今年から管理職になり、「部下にいかに効率的に仕事をさせるか」について日々悩んできました。
そんなときこの書籍に出会いました。
『自分の頭で考えて動く部下の育て方 上司1年生の教科書』(著:篠原信)
書籍の概要とおすすめポイントをまず説明します。
書籍概要とおすすめポイント
この本はずばり「部下がなかなか育たない」という悩みを持った新米管理職におすすめの内容になっています。
指示待ちの人間ばかりがいる部署とそうではない部署、何が違うのでしょうか?
そんな疑問を詳しく追求していく良書です。
この本で提唱するリーダー論は従来型のリーダーとは全く異なります。
「上司は話下手で構わない」「威厳はなくても構わない」「部下を誉めずに育てる」「部下のモチベーションを上げようとするなかれ」などユニークな話が盛り沢山です。
作者自身が指示待ち部下製造機のような管理職だと公言していますが、なぜか優秀な人ばかり育つそうです。
実際に読んだ中で気になったハイライトを紹介します。
厳選ハイライト
司馬懿が使者に「孔明殿の働きぶりはどうじゃな?」と尋ねると、使者は「朝は早くに起きて夜遅くまで執務しておられます。どんな細かい仕事でも部下任せにせず、ご自身で処理します」と答えた。
でも今ならこう思います。「もっと部下に仕事投げればいいのに」と。名軍師孔明でも名管理職には成り得なかったってことですね。
劉備玄徳の圧倒的な力、それは承認欲求を満たす力なのかもしれない。自分の存在価値を認めてくれる。この人がいれば自分はこの世に生きていてよいのだと思える。
さしたる能力がないリーダーは、率先垂範のやり方を取らないほうがよい。大した能力がないことが赤裸々になるだけで、部下にも自分にとっても悲惨なことになる。それよりも、部下の優れたところを認め、そのパフォーマンスを引き出すことに 専心 したほうがよい。この場合、リーダーにさほどの能力はいらない。
部下が増えたから上司の自分は楽ができる、なんて考えたら大間違い。部下ができたら、上司として配慮しなければならないことがまた一つ増えるというのが本当のところだから、初めから心してかかる必要がある。
上司の仕事は、部下が仕事をしやすいようにお膳立てする雑用係だ、と言ってもよい。/上司の仕事は、部下の意欲を引き出すことだと言ってよい。
部下のモチベーションを直接引き上げようとするより、モチベーションを下げてしまう要因を除去することに努力したほうがよい。そうすれば、意欲は勝手に湧いてくる。
ラポール(相互信頼)が築ければ、仕事を頼んでも「この人の言うことなら頑張ろう」という基礎的感情が生まれる。ラポールを築かず仕事を頼んだり任せたりすると、部下はイヤイヤ仕事をするようになる。
「仕事を憶える」という、比較的つまらないことに見える業務に、意欲的に取り組んでもらうにはどうしたらよいだろうか。それは「工夫」だと私は考える。単純に見える作業でも、工夫の余地はたくさんある。工夫を発見する喜びを部下に感じてもらうとよいだろ
指示待ち人間になる大きな原因の一つは、意欲を失うことだ。自分の頭で考え行動する部下になってほしいのならば、上司は意欲を最大化することに努める必要がある。残業は、意欲を損なう大きな原因になりかねないので、要注意
上司としては結果、成果のほうが気になってしまうものだが、そこはグッとこらえて成果に着目するのではなく、工夫に着目する。
部下がある程度一人前に仕事ができるようになるには、 ①基本業務はすべて理解し、「あれやっといて」という指示だけで、教えなくてもやれるようになっている。 ②疑問を楽しみ、人に質問したり調べたりして、自分で疑問を解決しようとするクセがついている。 ③仮説を立て、解決を試みるという「仮説的思考」が身に付いている。 という3つがマスターできていなければならない。
BMW東京の社長を務めた現横浜市長の林文子氏は、部下を叱る時はいいところをほめることから始めていたという。
大事なことですね。まず褒める、そして指摘すべきところは指摘する。この方が指摘された方の納得度が高いですよね。是非実践してみたい手法です。
今日から使えるワークライフバランス
『自分の頭で考えて動く部下の育て方 上司1年生の教科書』(著:篠原信)を読んで今日から実践したいことを以下にまとめました。
- 管理職は部下を育て部下の成果で飯を食うべしと割り切る!部下に実務をやってもらう。
- 管理職の仕事とは「雑用」と「部下の鼓舞」、主役はあくまでも部下であると心得る。
- ありきたりな業務を「工夫」して効率化する取り組みに喜びを感じて貰う、そして評価する。
- ”仮説を立てて解決を試みる”これが出来るまで部下を教育しまくる。
ここまで読んで頂き誠にありがとうございました。またよろしくお願い致します。