書籍概要とおすすめポイント
私の業務は半導体デバイスの製品プロセス立ち上げです。半導体デバイスは数百工程から成ることが普通であり、その内一つでもミスするとそれまで努力が水の泡になることもザラです。
つまりミスが許されない業務ってことです。
自分が現場で作業をしていたときも「しまった!」というミスには何回も遭遇しましたが、管理職になり部下を持つようになってからはさらに多発するミスに辟易する毎日を過ごしています。
「どうにかしてミスを減らせないものだろうか」そんな風に悩んでいたときこの書籍に出会いました。
『仕事が速いのにミスしない人は、何をしているのか?』(著:飯野謙次)
この書籍の概要を一行でまとめると「仕事が速くてミスをしない人が実践しているコツをまとめたもの」になります。
著者の飯野謙次氏は2002年に『失敗学のすすめ』などの著書のある畑村洋太郎氏と、「失敗学会」を組織し、これまで14年にわたって運営されてきた方だそうです。
つまり失敗の専門家ってことですね。
企業では誰でも起こしてしまいがちな小さなミスや失敗が発端となって、取り返しのつかない事故に繋がるケースが多々あります。
一つでも多くミスを予防することがその企業の総合力を高めることに繋がります。
ミスを予防して仕事を速く進めたい方全員にお薦めの書籍です。
本書で防げる失敗例とは例えば以下のものがあります。
- スケジュール管理をミスし、ダブルブッキング
- 締め切りに間に合わなかった
- コミュニケーションがかみ合わずちぐはぐに
- リストのチェック漏れがあった
- 売上目標を達成出来なくて叱責された
以下私がKindle本でハイライトした箇所とコメントを紹介致します。
私のハイライト紹介
ミスをなくすことがなぜ難しいかというと、ミスは〝思いがけず起こる〟からです。
同様の失敗が今も起こり続けているのは、かつて起こった類似の失敗が共有されていないからなのです。
見る人を変える。見方を変える。見た目を変える。 ──ダブルチェックの3原則
そんなときに有効なのが「付箋(ポストイット)」と「TO DOリスト」の合わせ技です。・・・
・・・「たいしたことのないこと」こそリストにして、脳から追い出してしまうこと が、そのときにやるべきことに集中するための秘訣です。
転職する人が増えていることも考えると、それを参照するだけで誰もが正しい手順を 辿れる「マニュアル」は、今後ますます重要になっていくでしょう。
失敗学に携わっているとよく出合う教えに、「ハインリッヒの法則」というものがあります。これは、 「何か1つ大きな事故が起こったら、その陰には同じ原因による小さな事故が 29 あり、さらにそれらの陰には、事故にならなかったまでも『ひやり』としたことが 300 あったはずだ」=「1:29:300」
実は、この「知らないこと」にどう対処するかが、仕事におけるスピードアップとミスの削減に、大いに関連しています。いわゆる「できる人」ほど、わからない言葉や概念に出合ったときには自分で調べる、ということをしているのです。
組み合わせるなら「生み出す仕事」と「単純作業の仕事」を一つずつ。それ以外のマルチタスキングは、今すぐやめること。
失敗学は、「現地、現物、 現人を大切にせよ」と教えます。過去の事故から学ぶには、その事故が実際に起こった場所に出かけ、現物を観察し、当事者の話を聞くのが効果的だということです。
「知らなかった」ということは、失敗の免罪符にはなりません。
仕事で起こる失敗というのは、「注意不足」「伝達不良」「計画不良」「学習不足」に分析でき、この4つの原因を取り除けば、個人の失敗に関しては恐れる必要がなくなる
ここぞという大事なタイミングで注意喚起をする」しくみを考えることが肝心です。それも、自分ではなく、他人の力に頼ったほうがうまくいきます。ここで借りるべき他人の力とは、文字通りの 他人と機械の力 です。
廃業の追い込まれた船場吉兆に対し、赤福は不祥事発覚から5カ月後に復活、その後、売り上げを回復して今に至っています。・・・赤福は「自分たちがしてしまった不正を二度と繰り返せないしくみ」をつくったのです。 ただ精神論に頼った船場吉兆とは、失敗へのフォローとしては二つも三つもレベルが上の対応でした。
失敗を100個したとしても、その対策を100個身につければ、あなたは怖いものなしの百戦錬磨──仕事の達人になれるのです。
今日から使えるワークライフバランス
『仕事が速いのにミスしない人は、何をしているのか?』(著:飯野謙次)を読了し以下を実践したいと考えました。
- 失敗をしたら対策を考えしくみに落とし込むべし。失敗の数だけ組織は強くなる。
- 注意喚起のしくみは他人か機械の力を使って作るべし。
- 同時並行して進めていい仕事は「生み出す仕事」と「単純作業の仕事」一つずつ
- 「知らないこと」はすぐに調べる
- 「注意不足」「伝達不良」「計画不良」「学習不足」の四つの不足が起きないしくみを作る
ここまで読んで頂き誠にありがとうございます。